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10日に行われた次期ニューヨーク市長選挙の予備選では、選挙戦後半で着実な追い上げを見せた市政監督官のビル・デ・ブラシオ氏が民主党代表に選出された。一方、夏前までは最有力候補との呼び声が高かった現市議会議長のクリスティン・クイン氏は得票数3位に後退、大差で敗れ、ニューヨーク市初の女性市長の誕生を待ち望んでいた有権者にとっては残念な結果に終わった。
出口調査によると、クイン氏に投票しなかった理由として「ストップ・アンド・フリスク(NYPDによる職務質問形式の捜査方法)に関する議論で対立候補に勝てなかった」「現市長であるブルームバーグ氏との関係が深い」「これまでの市政にはない新しい方向性を提示していない」ことなどが挙げられ、性別による得票の偏りは見られなかった。
また米紙ニューヨーク・タイムズなどが実施した世論調査では、クイン氏への印象として「野心的」「いじわるそう」「高圧的」「自己中心的」などの言葉が上がったほか、有権者へのインタビューでは「ファッションセンスが悪い」「声が耳障り」といった声も聞かれた。
さらに一部では、クイン氏が同性愛者であることを公表していることが、不人気につながったとする見方もある。
その一方で、「女性の魅力を前面に出すべき」「話し方の指導を受けてはどうか」といった周囲のアドバイスに対し、クイン氏自身は「重要なのは、自分が女性であることや同性愛者であることを有権者にアピールすることではなく、市政の問題をどう解決するかを考えること」という姿勢を崩さなかったという。志の高さや意志の強さといったクイン氏の性格上の強みが、皮肉にも選挙戦での敗退につながったとも言える。
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