ニューヨーク市ホイットニー美術館にて開催中のジェフ・クーンズ回顧展で、自分の血で「X」の形を描いたとして、パフォーマンス・アーティストを名乗る男が強制退去させられた。
この男は、自分の血を使ってアートを表現するハンガリー出身のイストバン・カントール氏で、これまでも世界各国の美術館や展示場で血を使ったパフォーマンスを行なってきた。2004年にベルリンで展示されたクーンズの作品「マイケル・ジャクソンとバブルズ」にも血をまき散らそうしたことがある。ニューヨーク近代美術館とモントリオール美術館から出入り禁止となっている。
今回の事件は「ブラディ・キャンペーン」という作品の一環で、情報サイトのハイパーアラジックによると、企画は事前にカントール氏により「モンティ・カントシン・アーメン」名義でフェイスブックのページに予告されていたという。この別名はクーンズの作品「ラビット」像の裏にも記されていた。写真家のアントイネ・ルテンズ氏のフェイスブックには、この“作品”の様子が公開されている。
カントール氏は精神鑑定のために近くの病院に搬送、今回損害を受けた展示品はないため、美術館による告発はなく、すぐに解放された。