マンハッタン区ミッドタウンのジャパンソサエティーで26日、国際ジャーナリストとして第一線で活躍し、現在は名古屋外語大学・大学院教授を務める内田忠男氏が講演会を開催した。
「日本最新事情」と題された今回は、独自の視点から政治・経済に関するさまざまな問題に対し、国際報道の最前線での経験を元に日本の行く末を鋭く読み解いていった。
日米間の問題についての冒頭では、日本国憲法9条を英文で見せ、「日本国憲法は、米国に占領されていた時代に施行されたもの。これらは、かなり綿密に草案を練り制作されており、それが日本語に訳され、憲法になった」とし、「米国に押しつけられた憲法であるため、あえて英語で見せる」とするなど、歯に衣着せぬ語り口に終始参加者の笑い、相槌がうかがえた。また、最近より加速度を増しているイスラム、米国間の問題に話題が及んだ際には、「日本はアメリカの同盟国であるから、イスラム原理主義者のテロリストが日本には絶対に来ないということは誰も言えない」と述べた。
質疑応答での、若い世代への現在の日本教育の在り方に関しての質問に対しては、「大局観教育が大切。それを今後も大学で教鞭を執りながら、若い人に教えていきたい」と語った。
同イベントに参加した青木圭祐さんは本紙のインタビューに対し、「国際社会における日本の立場がよく理解できた。国際連合の存在意義を考えさせられ、これまで日本人が行ってきた取り組みを知らず、国際社会の中で生きて行く日本について、目を向けさせてくれるいい機会となった」と語った。