テロ健康被害者の補償法延長訴え NY市長や上院議員ら

米同時多発テロの13回目の記念日を前に、ニューヨーク州や市を代表する政治家らが8日、現場となったワールド・トレード・センター跡地に集まり、テロ健康被害者の救済法延長を訴えた。

「ジェームズ・ザドロガ9.11健康補償法」と呼ばれるこの救済法が来年一部失効となることを受け、同州選出のクリステン・ジルブランド上院議員やビル・デ・ブラシオ市長、ピーター・キング下院議員らはこの日、口々に同法支持を表明した。

同法はニューヨーク市警察(NYPD)の若手警察官として救出活動にあたった後、肺疾患を患い、2006年に34歳の若さで亡くなったザドロガさんに因んで名づけられた救済法。11年から5年間で、医療保険補償費などで43億ドルが支給されることになっている。

テロの後救出活動などに従事したため、現場の汚染物質が原因とみられる呼吸器系障害や肺がんなど健康被害を訴える消防士や警察官、テロの生存者は3万人以上とされている。またこのうちの60%以上の人が、複数の疾患を抱えているとの統計が出ている。

集まった議員らは「人々を救うため戦った英雄を救済するのは国として当然の義務」「どんな理由があろうと、救済法は継続するべき」などと同法の重要性を訴えた。