ニュージャージー州最大の労働組合が12日、組合の年金運用を担当するクリス・クリスティー知事について、州倫理委員会に不服申し立てを起こした。
同州労働総同盟・産業別組合会議(AFL−CIO)代表チャールズ・ワウカネック氏は、11ページに及ぶ文書を提出し、州投資委員会の委員長ロバート・グレイディ氏が、年金積立金の管理や投資先の選択に駆け引きを用いることを禁ずる委員会規則に違反したと主張している。
投資委員会は、組合の積立金をウォール街の投資会社を通じて、通常の投資より高額な手数料が掛かるヘッジファンドやそのほかの代替的投資に投資している。同様の投資は以前から行われていたが、同知事の就任以来増加しているという。
投資委員会が取引している、これらの投資会社の主要役員らによって州や全国共和党機関に寄付が行われており、このような寄付は公共事業受注獲得のための企業による寄付を禁じる州法「ペイ・トゥー・ペイ法」や州職員倫理規定に違反する可能性があるとして、組合は調査を求めている。
また知事の再選選挙期間中、グレイディ氏が投資委員会と選挙顧問を兼任していた件についても問題視しているが、同氏は8月、「選挙活動参加は州財務省から書面で許可を得ており、再選委員会の電話会議で寄付の話をしたことはない」と嫌疑を否定している。