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ニューヨーク市会計監査官のスコット・ストリンガー氏はこのほど、昨今ニューヨーク市内で頻繁に取り上げられている最低賃金の引き上げ問題について、試算を出した。
これによると、同市の最低賃金を時給13.13ドルまで引き上げた場合、市民120万人の総収入が年間計60億ドル増えることになるという。また、これをひとり分に換算すると、毎週100ドルの増収になるとしている。
ニューヨーク州議会では先日、最低賃金を10.10ドルまで引き上げるという案に対し、アンドリュー・クオモ知事が支持を表明し、各自治体にはさらに30%まで上乗せできる権限を与える旨を示していた。これを受けストリンガー氏は、市民に与える経済効果を時給13.13ドルで試算したと説明している。
試算結果では、賃金引き上げでもっとも恩恵を受けるのは、ブルックリン区で働く37万6000人の市民で、毎週3900万ドルの増収をもたらす。同様に、クイーンズ区は3300万ドル、ブロンクス区は2200万ドルと続き、これらの増収は地元小売業の売り上げ増加に直接つながると同氏は指摘している。
今回の試算についてストリンガー氏は「ニューヨークは全米でもっとも生活費が高いにも関わらず、賃金は他の都市より低い。今こそ実情に合わせた賃金を設定すべき」であると訴えている。
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