狂犬病の専門家たちは25日、大規模な犬の予防接種プログラムを通して、狂犬病の原因となるウイルスを根絶するための計画を発表した。
先進国ではあまり見られなくなったものの、アフリカやアジアでは毎年狂犬病による死亡者が6900人ほどにもおよび、うち3分の1はインドが占めている。人や犬のための予防接種がありながら今まで真剣に取り組まれなかったことで、ウイルスの除去には至ってない。
今回国際的研究者チームによって発表されたのが低コストで実現可能な犬用の大規模予防接種プログラムだ。「犬にワクチン接種をすれば世界中で報告されている狂犬病例のうちおよそ98%を防ぐことができる」とワシントン大学ガイ・ポルマー氏が語るように、疫病の現代版と言っても過言ではない狂犬病の根絶には動物のワクチン接種が鍵となる。
タンザニアでワクチン接種を行っているフェリックス・ランケスター氏によると、まず小規模なウイルスフリーゾーンを作り、その地域を拡大していくことで狂犬病ウイルスの根絶を目指すという。
根絶を成し遂げるには多くの国や国際保健機関のサポートが不可欠だが、ランケスター氏は「絶対にウイルスの根絶を成し遂げられると思っている」と話している。