1935年に製造されたニューヨーク市の地下鉄の車両が、オンライン競売サイト「イーベイ(eBay)」に出品されているという。入札開始価格は、2万4000ドル。
同車両は、市の依頼によりアメリカン・カー・アンド・ファンドリー社が製造したR6型車両で、当初、独立地下鉄網(IND)の路線を走っていたが、1960年にブルックリン・マンハッタン交通会社(BMT)の路線に移り75年まで使用されていた。R6型車両は500台製造され、現在残っているのは7台だけだという。
同車両は片側の端が切断され内部が見えるようになっており、70年代後半に車台が外された為、コンクリート平板の上に乗せられた状態で保管されている。80年代後半に張り替えられたオリジナルの座席や、天井扇風機、吊り革などは当時のまま残っている。
出品者のサル・パランテさんによると、同車両はパランテさんの親戚が70年代にニューヨーク都市交通局(MTA)から購入したもので、スタテン島のゴールデン・デリで、約30年間、店内用の椅子として使用されていた。その後パランテさんが保管を任され、現在ブルックリン区のカナーシーに保管されている。パランテさんは、出品に添えたコメントで「ニューヨーク市の歴史の重要な一部を所有できる、一生に一度の滅多にない機会だ」と語っている。
イーベイではその他、昔のストリートサイン(3万5000ドル)や1963のマンハッタンの観光地図(1200ドル)など、ニューヨークの歴史を物語る貴重な品々を売り出している。