NYPD、タブレットやスマホを捜査に導入


 ニューヨーク市警察(NYPD)は、情報伝達の迅速化のため、タブレットおよびスマートフォンを捜査に導入すると発表した。NYPDは、1億6000万ドルをかけ4万1000台の機器を購入、6000台のパトカーにタブレットを設置し、3万5000人の警官に携帯用端末を所持させるという。
 これにより警官らは、911に届いたリアルタイムの情報や指名手配犯のポスター、行方不明者の顔写真、現場で採取された指紋などに瞬時にアクセス可能となる。NYPDのウイリアム・ブラットン本部長は、23日にセントラルパークで遺体となって発見された95歳の男性の事件を例に挙げ、これらの機器があれば、行方不明になって間もなく男性の顔写真や特徴が瞬時にNYPD警官、交通取締官、学校の警備員などに伝わり、男性が死亡する前に見つけ出す可能性が増したはずとその重要性を語った。
 機器購入費用のうち、約4億4000万ドルは、マンハッタン区連邦地裁の連邦地方検事サイラス・バンス・Jr氏の事務所より補助される。これは、仏大手金融機関パリバ銀行が、米国の経済制裁対象国と違法に取引をしていた事件の和解金88億3000万ドルのうちの一部であるという。同氏は、「NYPDの技術向上に出資することは、警察との情報交換のスピードと正確性が増すため、検事局にとっても望ましい」と語った。