アルテグループインク主催の京呉服展「一呉一会」が23日〜26日の間、マンハッタン区のGLOBUS CHASHITSUで開催された。22日・23日には、京都西陣の織屋「織楽浅野(しょくらくあさの)」の代表取締役、浅野裕尚氏を迎え、レクチャーを行った。レクチャーにはきもの愛好家のみならず、多くの人が訪れた。
日本人の伝統文化、アイデンティティであるきものの美しさや本質を伝えるため、和紙や絵の具といった素材を使いながら、そのルーツまでも細かく説明された。参加者は浅野氏のデザインした帯ときものを実際に手に取り、何からインスピレーションを受けたデザインなのか、何をモチーフにしているのかなどを知ることができた。
若い世代を中心にきもの離れが叫ばれる中、「着る人が減っているのではなく、着ていく場がないから」と浅野氏。きものの力とは、「着ている人も周りも和ませるという影響力があり、これからの世代が着たいと思うようなデザインをつくり続けていくことが重要」だと、作り手としての責任を語った。織楽浅野のものづくりを通し、新しいものをリリースする時の力をいつでももっていることが大切であり、どんなものでも根本は変わらないという、ものづくりの精神を伝えた。
参加した女性は、「普段から正装のときはきものを着るが、浅野氏のデザインを実際に見て、ますますきものが好きになった」と感想を述べた。