ファッションを通した一生
「Lauren Bacall: The Look」
【日時】 開催中~4月4日(土)
火~金:午後12時~8時、土:午前10時~午後5時
【場所】 The Museum at FIT Shirley Goodman Resource Center
7th Ave at 27 St
【料金】 無料
【Web】 www.fitnyc.edu/museum.asp
ローレン・バコール氏をご存知だろうか。バコール氏は、18歳でモデルとして、1944年に映画「脱出」でデビューをした米国の大女優。
ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)のギャラリーでは、同校のファッションとテキスタイル専攻の学生による展示、ローレン・バコール「The Look」展を開催中だ。展示はバコールのファッションを時系列で並べたものとなっており、写真、1970年代のファッション、老年のファッションのブースに分けられ、彼女のファッションの注目すべき点を簡潔にまとめているため、コースは短いが内容は濃いものとなっている。
白と黒のコントラストが落ち着いた雰囲気を醸し出す会場内は、照明の数を少なくすることで照らし出される展示品の1つ1つの印象を強くしている。
会場に入ってまず目に付くのは、米国人デザイナーのノーマン・ノレル氏による鮮明なピンクのコートだ。これは映画「Sex the Single Girl(邦題:求婚専科)」で使用されたもので、1970年代にバコール氏がレジェンドと呼ばれるようになった象徴である。また、展示されている1つ1つの写真の中に写るバコール氏の表情にも注目。有名な「The Look」と呼ばれる上目遣いの写真が来場者を迎え入れる。
奥の写真ブースにはiPadが設置されており、展示されていない他のワードローブを見ることができる。
コースの終盤では映像と展示の両方を同時に楽しむことができるよう、「BACALL AND THE BOYS PARIS FASHION」のファッションショーの模様をスクリーンで一部上映すると共に、その中で実際に使用されたドレス、そして彼女の老年のファッションをマネキンを使って展示している。向きやポーズ、間隔がそれぞれ異なるマネキンの列は、来場者を衣装の1つ1つをファッションショーで見ているかのような気分にさせる。中でも、最後尾にあるノーマン・ノレル氏のイブニングセットは一際目を引く。一見何の変哲もないコートだが、コートの内側とドレスの全面に金色のスパンコールが施されているため、コートを広げた様は壮麗だ。
バコール氏のファッションの変遷をデビューから老年まで展示しており、ファッションコレクターと呼ばれたほどの彼女のファッション愛を凝縮した展示会となっている。
バコール氏は昨年8月に逝去。マリリン・モンロー氏などと共にハリウッド黄金期を彩った銀幕の大女優のファッション人生を、会場で辿ってみてはいかがだろうか。
取材:藤谷 和翔、大山 リエ(名古屋学院大学)/本橋 結衣(立教大学)
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