ニューヨーク市が、用途を正確に伝えずにクイーンズ区のホテルの部屋を100室予約し、ホームレスの一時的シェルターとして使用していたことがこのほど明らかになった。
同区ジャマイカ145丁目にあるラディソン・ホテルの総支配人によると、先月市の職員からホテルの販売部に連絡があり、政府機関の団体が宿泊するため、11月に10日間、100室の部屋を予約したいと言われたという。
11月は売上が低迷する時期である上、政府関係者の利用ということもありホテル側は歓迎したが、予約の最終段階になり、宿泊するのは政府関係者ではなく、市ホームレスサービス課(DHS)により保護されたホームレスであることが判明した。
DHSによると、同ホテルに宿泊したのは受け入れ先のシェルターが確定する前のホームレスで、このようなケースで一時的に仮の施設に宿泊させるのは珍しいことではないという。
ホテルには毎日、DHSから食糧が届けられたという。同ホテルは、今後、DHSからの予約は受け付けないとの方針を明らかにした。
同ホテルは、ジョン・F・ケネディ国際空港から近く、以前は隣接するビルに337台のベッドを保有するホームレスシェルター「カールトンハウス」があったが、数年前に閉鎖されている。
市には現在、5万8000人以上のホームレスがいると推定されている。