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共同通信
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作家芥川龍之介が、友人で作家の佐藤春夫に宛てた手紙やはがきが新たに見つかったことが30日、遺族から寄託を受けた実践女子大への取材で分かった。調査に当たった、佐藤の研究を専門とする東京大の河野龍也准教授(日本近代文学)は「芥川の内面や2人の深い交友関係が分かる貴重な資料」としている。
手紙は200字詰め原稿用紙2枚にペンで書かれており、芥川が死去する前年の1926年に送ったものとみられる。随筆集の表紙を描いてくれた佐藤への感謝を示すほか、小説「妖婆」を失敗作だと断じた佐藤の論評に言及し「始めて読んだ時には不快だつたが、今は平気でよめる」などと記している。