飛行中に死亡したらどうなる? 航空局の明確な規定は無し


 ロンドンからニューアーク国際空港に向け飛行中だった23歳の女性が1日に死亡したことをきっかけに、「飛行中に死亡した場合、どうなるのか」という疑問が浮上している。
 米連邦航空局(FAA)にはこれについての明確な規定はないが、専門家によると、死亡した際の飛行位置、飛行時間、死亡者と共に飛行機に乗っていた家族や友人の希望など、その状況により異なってくるという。
 フライトが満席で遺体保管場所がなく、着陸が可能な場合は、パイロットの判断により着陸し、遺体を機内から降ろすことができ、飛行を継続する場合は、遺体を座席に戻すという。
 安全上の理由から、通路やギャレー(調理室)に遺体を保管することは通常行われないという。死後硬直により遺体を移動することが難しくなる可能性があるため、洗面所に保管することは勧められていない。目的地到着の際、遺体を機内から運び出すのは警察の仕事で、担架に乗せた遺体を機体後方出口からリフトトラックに乗せ、救急車まで運ぶ。
 航空医療コンサルタントのメドエアは、旅客が飛行中に死亡するのは800万人に1人であると推定している。
 医療誌、ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシンが昨年発表した調査によると、調査期間中、大手航空会社の機内で30人の旅客が飛行中に死亡している。