スタテン島で黒人のエリック・ガーナーさんの首を絞め死亡させたニューヨーク市警察(NYPD)の白人警官が不起訴処分となって以来、抗議デモなど市民による警官への不信感が高まっている中、ビル・デ・ブラシオ市長がテレビのニュース番組で発したコメントに波紋が広がっている。
市長は、7日に放送されたABCニュースの「ディス・ウィーク」で、白人の市長と黒人の妻シャーレイン・マックレーさんの長男ダンテさん(17)に、「警官に呼び止められたら、すべて言われた通りにすること。いきなり動いたり、携帯電話を取り出すような真似はしないこと。若い有色男性の場合、誤解される可能性が高いから」と教えてあるとコメントした。
巡査部長慈善組合の委員長エド・マリンズ氏はこれを受け、「市長の家族はNYPDの警護特務部隊に警護されているのにも関わらず、自分の息子に市の警官に対し警戒するように教育しているとは、まったく偽善的でばかな発言だ。市長ともあろうものが市の警察に信頼を置けないのなら、市から出て行くことを考えるべきだ」とラジオ番組で批判した。
巡査慈善組合の委員長パトリック・リンチ氏は、「市長は警察を裏切った」と、また、ルドルフ・ジュリアーニ元市長は、デ・ブラシオ市長の発言を「人種差別的だ」と非難している。