ニューヨーク育英学園 ウッドローン墓地を見学

 ニューヨーク育英学園全日制部門(ニュージャージー州イングルウッド・クリフス、岡本徹学園長、園児・児童数170名)小学部4年生は12月17日、ニューヨーク州ブロンクス区にあるウッドローン墓地を訪れた。同学園では「アメリカで活躍した日本人の足跡を辿る」という社会科の学習の一環として毎年足を運んでいる。
 現地に着くと、まずスクールバス車内でウッドローン墓地職員であるスーザンさんより黄熱病の研究をしながらガーナのアクラで亡くなった野口英世博士、ジアスターゼやアドレナリン発明で有名な高峰譲吉博士という日本を代表する二人の活躍や功績について話を聞いた。野口英世については逝去時、ロックフェラーの希望で鉄板の棺桶を作って当地へ運ばれてきたという逸話が有名だ。子どもたちは「日本人がアメリカでここまで活躍し評価されているとは思いもしなかった」「同じ日本人として心から誇りに思う」などと二人の残した偉大なる功績に驚きを示しつつ、感嘆の声を口々にしていた。
 最初に訪れたのは野口英世の墓。その墓前で、同職員から実際に野口英世とその妻が共に永眠している棺桶の位置やようすについて聞くと、子ども達はその土の上に手を置き、それぞれが思い思いのメッセージを語りかけていた。
 次に訪れたのは学校の教室半分ほどの大きさであろう高峰譲吉の墓。大きな納骨堂にはステンドグラスの中に描かれた富士山の絵や日米国旗が色鮮やかに飾られていた。100年以上も前に渡米し、医学・科学の発展のみならず、日本からアメリカへ数千本の桜の樹を寄贈するなど、日米交流の架け橋として活躍した高峰譲吉。その人間としての強さや懐の深さに子ども達は深く感銘を受けたようであった。
 日本から遠く離れ、アメリカに骨を埋めた偉人たち。将来、世界の第一線で活躍し、評価される人物になるためには「今、何を学び、何をすべきか」。それぞれが将来の夢に向かって、思いを馳せながら帰路についた。