料理、文化、ゲストへのリスペクトが大切だと思います。
トップフレンチの一翼を担う名店、ブーレーの若きスーシェフ、クリスさん。イタリア人コミュニティーとして知られるブルックリンのベンソンハースト出身。キャリアのルーツは物心つく頃から。自宅の庭で採れた野菜を祖母と一緒に料理したことに始まる。引越先のウエストチェスターのハイスクールでは交換クラスプログラムのひとつだった料理を専攻。そこで首席となりさまざまな料理コンテストやケータリングイベントに参加した。アルバイトは地元のイタリアンデリで。床のモップがけからサンドウィッチ作りまですべてこなした。「料理人になるためのインスピレーションは得られなかったけれど、仕事における倫理観や、一生懸命働けば必ず報われるということを学んだよ」。料理の名門CIAに進学、卒業と同時にブーレーの総帥デイビッド・ブーレーの目に留り、同レストランに採用された。
入店から4年でスーシェフに。通常業務のほか全米各地でのケータリングを任されたり、スペインや日本への研修旅行に出かけたりと多忙な毎日を送っている。フランスへの研修旅行も目前だ。
仕事をするうえで何よりも大切にしていることは「リスペクト」。 素材、その料理を育んだ文化、さらに料理を味わってくれるゲストに対して尊敬の念を持つことだという。23歳。
シェフのとっておき
「グランマのトマトソース」
イタリア・カラブリア地方出身の祖母直伝のレシピです。
【作り方】
①完熟した旬のローマトマト25個を4等分に切る
②中温で熱した大鍋にオリーブオイル1カップ、細かく切った玉ネギ(中)5個、みじん切り
にしたガーリックヘッド2個を入れ、柔らかく甘みが出るまで15〜20ほど炒め煮する
③白ワイン2カップを加え水気がなくなるまで煮飛ばす
④①のトマトと塩コショウ適宜を加え、水気がなくなるまで煮る(8割ほど蒸発させる)
⑤④のあら熱を取り、ブレンダーに入れなめらかにする。バジルの葉をそえてサーブする。
☆旬のローマトマトが手に入らない場合は缶詰め(Muir Glen Organic Whole Peeled Tomatoes、写真右)
で代用する。酸味と甘みのバランスが絶妙。