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共同通信
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政府が1960年代前半に国葬の法整備を検討していたことが、28日までに国立公文書館所蔵文書を分析して分かった。当時の公文書は国葬を巡り「あらかじめ法律で根拠が定められることが望ましい」と明記。だが具体化できないまま67年に吉田茂元首相が死去すると、急きょ閣議決定し、戦後初の実施に踏み切った。その後、法的裏付けがないからといって国葬を認めないのは「相当でない」との見解に転じた。閣議決定を根拠とする運用が基本的に安倍晋三元首相の国葬にも受け継がれた。
吉田元首相の前例に至る経過からは、法制化の議論が煮詰まっていない段階で国家的行事の実施を決めた様子が浮かぶ。