パンが焼き上がる香ばしい匂いを嗅ぐとほんわか幸せな気持ちになるのは、私だけじゃないはず。アメリカのスイーツは甘いだけと期待さえしていなかったのも、ひと昔前の話。アンデルセンやブレッドワークスのような日本のおいしいパン屋さんにも負けず劣らない、秀逸なベーカリーがニューヨークにはひしめき合っています。中でもバラエティー豊富においしいパンが並び、雰囲気も重要視するカフェ族にも自信を持っておすすめできる4店を紹介します。
とにかく乙女心をくすぐられるベーカリーNo.1はグリーンポイントの「バケリ」。閑静な住宅街の一角にある、とびきり可愛らしいお店。扉を開くとアンティークのシャンデリアに大きな花柄の壁紙、チェス盤のようなチェック柄の床、ウッドを基調にしたカウンターなど、とにかくメルヘン一色。手作り感いっぱいの田舎風パンは日々違ったメニューが登場しており、近所にあったら毎日入り浸るのに、と思い焦がれてやみません。
「シティー・ベーカリー」のレトロな世界観も素敵。ヴィンテージ感あふれるインテリアに囲まれ、50年代のパリのベーカリーにいるような感じでひとときのタイムトリップ。塩味の効いた名物プレッツェル・クロワッサンとチョコ濃度のとびきり高いホットチョコレートで時間を潰すのも楽しみになってしまうはず。
そして日本進出も記憶に新しい「ドミニク・アンセル・ベーカリー」ですが、本場ニューヨークでは今年「ドミニク・アンセル・キッチン」として新店舗がオープンしたばかり。ベーカリーの方では試せないメニューが楽しめ、オープンキッチンを眺められるのが醍醐味。レモン・ユズ・バター・タルトはアイスクリーマーでなめらかにしたクリームをサクサクの薄いタルト生地にその場でのせた贅沢デザートで、私のお気に入り。ここではオープンテラスでゆっくり人間観察しながらまったりするのがおすすめ。3階ではアフターアワーズの完全予約制のテイスティング・テーブルとして、8コースのデザートメニューがサーブされているので、ドミニクファンは満を持してお試しあれ。
昨年オープンしたばかりの「ブレッズ・ベーカリー」。白を基調とした広々とした店内一体はバターの香りが立ちこめ、奥のオーブンから焼きたてが直送されます。一番人気のチョコレート・バブカは、元はポーランドの伝統的パン。リッチなブリオッシュ生地にチョコレートスプレッドのヌテラをたっぷり織り込んで焼き上げた、スイーツ好きをノックアウトする一品は試してみる価値大!
●Bakeri: www.bakeribrooklyn.com
●City Bakery: www.thecitybakery.com
●Dominique Ansel Kitchen: dominiqueanselkitchen.com
●Breads Bakery: www.breadsbakery.com
フリー・ジャーナリスト
Aya Komboo
www.ayakomboo.com
日本では数々の出版社で経験を積み、フリーランスへ転身。2006年よりロサンゼルスへ渡米し、現在はニューヨークを拠点にファッション/カルチャー誌などで活躍している。
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