毎朝食べるパンのように、コーヒーを飲んでほしい
半世紀以上も前から変わらずに上質のコーヒー豆と紅茶を販売している老舗がウエストビレッジにある。同店のコーヒー豆は、ニューヨーク中のスーパーマーケットで販売されているため、パッケージに見覚えのある人も多いはず。座ってドリンクを楽しむことができないのは残念だが、出来立てのコーヒーをピックアップしようと店には絶え間なくニューヨーカーが訪れる。
今回訪れたのは本店、まず店に入ると麻袋に入ったコーヒー豆がいい香りを漂わせながら迎えてくれる。世界中から集められた豆は見ているだけでも楽しくなるが、ネーミングも興味を惹くものばかり。二年前に百歳で他界した同社社長ピーターの母親が毎日飲んでいた味を再現した「100th ANNIVERSARY BLEND(9・99ドル/lb)」は、6種をブレンドしており、浅煎り豆が好きな人におすすめ。また、ピーターの60歳を祝い商品化された「60th BIRTHDAY BLEND(8・99ドル/lb)」は、通にも初心者にも人気だ。その他、ヘーゼルナッツも一緒に焙煎した「French Hazelnut(9・99ドル/lb)」やエッグノッグの甘い香りをそのまま封じ込めた「Eggnog(9・99ドル/lb)」など、正統派から変わり種好きまでの欲求を必ずや満たしてくれる品揃えだ。
本店で接客を担当している、ボスの長男ピーター(親子で同じ名前のため、〝ヤング・ピーター〟として親しまれている)は、お湯の温度や道具などを気にするよりも、ひたすら飲むことが〝コーヒー通〟への道だという。まずは、同じ国の豆をたくさん飲み比べ、どの味や風味が好きかを知り、それを参考に他の国の豆を同じように試していくのがオススメだという。
毎日5、6杯のエスプレッソを飲み、愛する妻のために毎朝〝薄め〟のコーヒーをいれるのが習慣のピーター。「毎朝焼きたてのパンを食べるように、日常的にコーヒーを楽しんでほしい」と語る。保存状態によるが、豆の状態であれば一ヵ月以内、グラインドした豆で二週間は美味しくいただけるという。
帰りがけに興味深い話を聞いた。先日ピーターは、コーヒー業界の人々が集まる会議から帰宅した実弟から「すでに第4の波が来ているよ!(現在、巷ではサードウェーブが大流行であるにもかかわらず)」と聞き、コーヒー人気がより高まれば嬉しいと満面の笑みを浮かべながら語った。
Porto Rico Importing Co.
●Greenwish Village店: 201 Bleecker St (6th Ave & Macdougal St)
212 477 5421 www.portorico.com
月〜金: 8am〜9pm、土: 9am〜9pm、日: 12pm〜7pm
●East Village店: 40 St. Marks Pl (bet 1st and 2nd Ave)
●Lower East Side店: Essex Market 120 Essex St & Delancey St
●Williamsburg, Brooklyn店: 636 Grand St. (bet Manhattan & Leonard St)