NJエッジウォーターで大火事 15年前の悲劇再び

 22日午後4時ごろ、ニュージャージー州エッジウォーターの木造コンドミニアム「ザ・アバロン」で408ユニットのうち240棟が全焼する火事が起きた。死亡者は出ていない。
 NJドットコムによると、この高級アパートメントでは住民の入居開始直前だった2000年8月30日にも大火事が起きていた。15年後に悲劇が再び起こり、向かいに住む2つの火事を目撃した住民は、「デジャヴ(既視感)のようだ」と火事のようすを語った。2つの火事は、同州バーゲン群最悪の事故となってしまった。
 このコンドミニアムは、バージニア州に本拠地を置くアバロンベイ・コミュニティズ社によって所有されている建物。クリス・クリスティ ニュージャージー州知事への報告書によると、同社のメンテナンス業者が小型発炎装置を使って同建物1階で配管工事を行っていたところ、壁から出火。消防車を呼ぶ代わりに、会社にどのように対応すべきか電話をしており、この15分の差を生む行為が被害の大きさに著しく影響したと調査関係者はみている。作業員の過失は認めているが、この工事中の作業が出火原因の事故と断定された。
 地元の消防署のみならず、ハドソンリバー沿いから消防ボートを出動させるなどFDNYも応援に駆けつけ、250人の消防隊員が消火活動にあたったが、この建物は基本設計が木造のため被害が広がった。夫と7歳の息子と逃げた住民は「アラームに気づき逃げた直後、火山爆発のように、あっという間に火が広がった」と述べている。日没後の午後6時ごろ、対岸のニューヨークから火が確認できる程だった。およそ7時間後に消し止められたが、500人ほどが家を失ったという。  この建物は火災報知器、スプリンクラーなどはすべて正常に作動しており、州や地区の定める防火基準もクリアしていて、建物の基本構造に問題はなかった。