いわゆる闇サイトで知られる、不法物が売買される違法サイトで、猛毒のリシン(トウゴマの種子から作られる毒物性タンパク質)を購入、再販を試みようとしたマンハッタン区のチェン・リー容疑者(21)が昨年12月23日に逮捕されていたことが分かった。
リー容疑者は、毒物を販売する業者に扮したおとりのFBI捜査官に対し、少なくとも一人の顧客へリシンの販売を予定していることから、3〜5回分にあたる服用量のリシンの購入を希望する内容のメッセージを闇サイトにて送っていたという。
捜査関係者により明らかにされた20日時点の情報では、リー容疑者は「リシンが“使い物”になれば、購入希望者が列を成す。完全犯罪に向いていると思う」とFBI捜査官へ伝えていた。購入を予定している顧客の標的は毎日薬を飲むため、一つだけリシン入りの錠剤を混ぜるだけで殺人を成立させることができ、警察が薬を調べても他の錠剤は本物なので完全犯罪が成り立つ、と殺人の方法まで詳細に相談してきたのだという。もっと警察に疑われない方法を試してみる予定だ、とまで付け加えられていた。
FBI捜査官が送ったリシンの箱は指定のマンハッタン区のPOボックスに届けられ、ラテックス製の手袋をはめて箱を取りに現れたのがリー容疑者だった。POボックスを常時使用しているのがリー容疑者であること、容疑者の自宅から送付された箱が発見され、あえなく御用となった。容疑者の罪状認否は今月23日に行われた。