2012年にスウェーデンで設立されたEコマースのアプリケーション「Tictail」(社名同じ)を運営する本社が今月、ニューヨーク市に移転していたことが分かった。
同アプリは、AppleとAndroidに対応するEコマースのプラットフォームを持つ。特に、中小企業の新規参入を支援する形をとっている。企業はあくまで自サイトで販売を行いつつ、市場にプロモーションをかけることができ、マーケティングに役立つ仕組みだ。
テクノロジーの発展などにより、大きな資本を持たない企業でもオンラインでビジネスを開始することは容易になっているが、商売そのものや商品を広くマーケティングすることに苦悩する企業が多いため、そういった企業を助けることが同アプリの役割であると、CEOで共同創業者のカール・ウォルデクランツ氏(28)は位置づけている。
創業からおよそ3年間で同アプリは140カ国、7万もの販売店を顧客に抱えるまでになった。スウェーデンをはじめ、欧州におけるここ数年の成長に自信をもち、次の主要ターゲット市場を米国に定めたのだという。現在、米国の販売店は年間120%の割合で増えている。13年の終わりには、インスタグラムやキックスターターを支援することで知られる「スライブ・キャピタル」から800万ドル(およそ9億4000万円)の出資を取りつけた。
それをきっかけにニューヨークに本社とマーケティングチームを移転させ、現在バワリー・ストリート近くのローワーイーストサイドに15人の社員を抱え、オフィスを構えている。
ウォルデクランツ氏は、「Eコマースの未来は、モバイルデバイスにあると思っている。世界のビジネスの中心、ニューヨークでその実現に向けて大企業のサービスに負けない挑戦するのが楽しみ」と述べている。