昨年9月にアンドリュー・クオモ州知事が「Compassionate Care Act」(末期がんなどを患う患者が手厚いケアや支援を受けられる法令)にサインして、ニューヨーク州で合法となった医療用マリファナ法だが、この条例にはかなりの制限があるという。
まずは、摂取方法。ブラウニーやクッキー、”ハッピーピザ”なるものを出す業者もいるが、同州ではマリファナを食用にすることは禁止であり、煙の状態で吸引することも禁止となる。合法な摂取方法はオイルなどに精製されているものか、カプセルや錠剤などの経口投与に限定される。カプセルなどを生産するには一定のコストや技術を要するため、大麻ビジネスの参入を考える業者からは不満が出ているという。
また医療用マリファナの処方せんを入手できる患者はかなり限定されるようだ。がんであれば末期状態であること、HIV感染者かまたはAIDSを発病しているか、筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病などの特定疾患の患者であることを証明しなければならない。
クオモ知事は、マリファナが患者たちの一定の救いになることは間違いないが、子どもが間違って摂取したり、煙の吸引をすることで肺に被害をもたらしては本末転倒であるから、この処置が現在の最大限であると説明している。
現在米国で医療用マリファナが合法化されているのは23州だが、カリフォルニアをはじめとする西海岸各州の法令とは毛色が違うようだ。