ニューヨーク市調査局(DOI)が6日に発表した報告書によると、マイケル・ブルームバーグ前市長政権は、市が11年間にわたり計画している、旧式の911緊急派遣システムを近代的なものに改善するという緊急通信変革プログラムの対応に失敗していたことが判明した。
原因としては、①民間請負業者が費用見積もりをつりあげていた②市が外部コンサルタントに過剰に頼り過ぎ、進行状況を十分に監視していなかった③プレッシャーを感じた管理者が、市庁舎の上司に、進行状況についての過度に楽観的な見通しを伝えていた④書類手続きに法外な時間を要し、職員の本来の職務遂行を妨げた―などを挙げている。調査では、違法な不正行為は見つかっていないという。
DOI局長マーク・ピーターズ氏は5日のインタビューで、「2004年の時点では、13億ドルをかけ07年に完成すると言っていたが、実際には20億ドルを費やした上、完成は17年だという」と語った。
1968年7月から開始された市の911システムには、1日に3万件を超える電話がかかる。システムの改善は、01年9月11日に起きた同時多発テロの際、何本かの電話がオペレーターにつながらなかったことを受け、その必要性が生じた。109頁に及ぶ同報告書は、7カ月の調査を基に作成された。