【日時】開催中~5月3日(日)
日〜水・金、午前10時〜午後5時45分/土、午前10時〜午後7時45分 ※木曜休館
【場所】Solomon R. Guggenheim Museum: 1071 5th Ave & 89th St
【料金】一般: 25ドル/学生・シニア(65歳以上)要ID: 18ドル/子ども(12歳以下): 無料
【Web】www.guggenheim.org
日本人の現代美術作家として、世界的に著名である河原温氏。コンセプチュアル・アートの第一人者として知られており、1965年からはニューヨークを拠点に活動をしていたが、去年の夏に81歳でこの世を去った。
グッゲンハイム美術館では、河原氏の64年以降の作品をカテゴリー毎に分け、広く紹介、展示している。作品の物質的側面よりも観念に重きを置くのが、コンセプチャル・アート。代表作の一つ、「Today」シリーズは、ブルーやブラック一色で塗られたキャンバスに白い文字で日付が描かれている。66年1月4日から始まり、作家自身が制作をした実際の日付が描かれており、同日中に完成しなかったものは棄てられた。また、完成されたものは、その日の新聞が入った箱に収められている。その日に何が起こったのかを新聞で見ながら、一緒に絵画を観察すると興味深い。ニューヨークタイムズが、70年3月14日より開催された大阪万博のこと伝えている記事が「MAR.16.1970」の絵画と共に展示されている。
自分が起きた時間を記録したポストカードシリーズの「the I Got Up」。例えば、「”I GOT UP AT 8.20 A.M.”」と記されており、その日に起きた証をゴム印で記録している。そのハガキの裏面には、ニューヨークの街並やさまざまな国の風景が写っている。その他に、その日に自分が会った人々の名前をリストし、ルーズリーフ・ファイルしている「the I Met」、その日に訪れた場所を移動した経路も合わせて地図に記してファイルした「the I Went」、色々な場所から”I AM STILL ALIVE”と自分が生存していることだけを伝えている「I Am Still Alive」なども見ることができる。また、河原氏がニューヨークに移り住む前に滞在していたパリで64年に制作したドローイングの数々も展示されている。これら作品群は、日々の普遍的な「時間」という中で、作家自身が存在していたことを証明している。