かつては犯罪多発地域として知られたニューヨーク市だが、殺人事件が連続して1件も報告されない日が2月12日で10日目となり、2013年に成立した殺人事件ゼロ9日間の記録を破った。
市では昨年、ニューヨーク市警察(NYPD)が正式に記録を取り始めた1963年以来、もっとも少ない328件の殺人事件が報告されていた。この減少傾向は全米で過去数十年にわたりみられ、他の大都市でも昨年の凶悪犯罪の発生件数が減少している。シカゴ市では、1965年以来、殺人事件の件数がもっとも少なかったという。
NYPDの巡査部長ダニエル・ドゥーディー氏によると、殺人事件は人々が外出し、頭に血が昇りやすい暖かい季節に多いといい、殺人事件が起きない理由には、寒さも関係しているのではと話している。同氏はまた、「これからも当分の間、寒い日が続くことが予想されるため、人々はしばらく冷静でいられ、今後も記録が更新されそうだ」と語った。
市では昨年12月末、ビル・デ・ブラシオ市長が発したNYPDに対する裏切りともとれる発言のため、市長とNYPDの間に亀裂が広まり、市長に対する怒りを示すための職務放棄か、逮捕者数や違反呼び出し状の発行数が一時的に減少していた。