日本では子どもの歯が抜けると、上の歯は床下に下の歯は屋根に、次に生えてくる永久歯がしっかり生えるよう願いを込めて放り投げる習慣があるが、欧米では抜けた乳歯を枕の下に置いて寝ると、「歯の妖精(トゥースフェアリー)」がそれをコインやプレゼントと交換してくれるという言い伝えがある。クリスマスにプレゼントをもって“こそっり”子どもたちのところへ訪れる、サンタクロースのようなものだ。
口腔ケア製品大手のサンスター・ガム社が19日発表した最新の調査によると、ニューヨーク市の親は子どもの乳歯が抜けると“歯の妖精代”として一回平均13.25ドルを使用しており、これは全米でもっとも高い金額だという。ちなみにロサンゼルスは9.69ドル、シカゴ5.85ドル、ボストンでは5.02ドルとなっており、ニューヨーク市の歯の妖精は飛びぬけて子どもに“甘い”ことが分かる。
子育ての専門家は「金額を増やせば増やすほど、子どもは次はもっともらえると期待しがち。歯が抜けることは成長の過程でほとんどの人が経験する通過儀礼。何かを達成した訳ではないのに、豪華なご褒美は必要ない」と警鐘を鳴らす。
しかしニューヨークの親たちにとってはこれが標準なのだろう。同市在住の3児の母は「私は子どもの想像力を伸ばすため、枕元には「妖精の粉」を振りかけ、10ドルしか与えない。しかし、ゲーム機や現金100ドルを与える親がいくらでもいる」と話している。