第61回 Le Village

お腹いっぱい味わっても、ヘルシー

フランスの田舎料理の代表、じ〜っくり煮込まれたコッコーヴァン(Coq au Vin)

 繊細で伝統のあるフランス料理にルーツを持つシェフは多い。若者の情報発信地イーストビレッジの7丁目、アベニューAの近くにポツリと現れるレストラン、La Villageのオーナーシェフ、 ディディエールさんもその一人だ。本場フランスで20年以上、シェフとして腕を磨いたディディエールさんが営む親しみのあるレストラン。ニューヨークでフレンチを提供する店は多くあれど、独自にアレンジを加えた料理を多く揃え、とにかくヘルシーなのが魅力。派手ではないが技術とセンスが光る、隠れた名店と言えるだろう。
 老若男女すべての人におすすめなのが、「コッコーヴァン(23・75ドル)」。にんじん、マッシュルーム、たまねぎなどの野菜とベーコンやチキンを赤ワインをベースにじっくりと1週間ほどかけて煮込んだフランス風のシチューだ。長時間煮込んだだけあり、すべての具材はスプーンで簡単に切れるほどやわらかく中心部まで味が染みている。少し濃い目の味付けのソースは野菜と肉のエキスがたっぷり溶け込んでいるので、最後の一滴まで残さずパンにつけていただきたい。しょうがやハーブが効いているので体を温めたい時にもってこいのメニューだが、栄養満点なので疲労回復や夏バテ防止にも効果を発揮し、食べる季節を選ばない万能食だ。
 甘く味付けしたビーツにツーンとくるスパイス(からしに近い味)がマッチした「ビーツカルパッチョサラダ(9・75ドル)」やソテーした芽キャベツとバルサミコ酢で味付けしたイチゴを和えた「芽キャベツのソテー(9・75ドル)」も、味わいながら栄養をチャージできるうれしい一皿。
 通常のメニューはアペタイザーが7種、メイン8種、デザート7種とチョイスはそれほど多くないが、どれも一工夫も二工夫も凝らしており、不思議と食べ飽きないのが同店の料理の特徴だ。全体の3割ほどはビーガン、またほとんどがグルテンフリーであり、デザートを除くすべてのメニューは水化物を0~50%以下に抑えたローカロリーで体にやさしいレシピとなっている。
 外食をすると腹十分目まで食べてしまう人や食生活が乱れがちな人、美味しくヘルシーでローカロリーの料理が揃った同店で、食事を楽しみながら体を浄化してみては。

Le Village
127 E 7th St(bet Avenue A & 1st Ave)
212-539-0231
日~木:5pm~10pm、金・土:5pm~11pm
※BYOB(No Hard liquor)※キャッシュまたはAMEXのみ
levillagenyc.com