ジャパン・ソサエティー(JS)は1日、「ベネッセアートサイト直島に見るアート・建築による地域・環境の再生」と題し、日本の原風景ともいえる瀬戸内の自然や地域固有の文化の中に現代アート・建築をおくことによって、特別な場を生み出してきたベネッセアートサイト直島の取り組みと、そのグローバルな可能性について、日米の関係者および専門家を交えシンポジウムを開催した。
アートと建築、自然の共生の試みを通じて、都市化、高齢化、過疎化、環境問題といった問題に問いを投げ掛け、「よく生きる」ためのコミュニティー実現の実践を試みてきたベネッセアートサイト直島の活動も既にほぼ四半世紀をむかえ、その活動意義について文明論的な観点や従来とは異なる美術のあり方、文化芸術による地域振興の可能性などに関連して、国内外で大きな関心を得るようになっている。
米国初となった今回のシンポジウムでは、プロジェクトの成り立ちや理念などを福武財団、理事長・福武總一郎氏が解説し、続いてプリツカー賞受賞者であるSANAAの妹島和世氏と西沢立衛氏、デンマーク王立芸術アカデミー教授で建築家の三分一博志氏が、ベネッセアートサイト直島におけるそれぞれのプロジェクトについてスライドを見せながら述べた。
イベント後半のパネルディスカッションではハーバード大学準教授イブ・ブラウ氏司会で、ベネッセアートサイト直島の建築的取り組みと未来の可能性などについて、よりグローバルな視点から考察した。