皇居内の中国石碑、返還求める声

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共同通信
皇居内に設置されている「鴻臚井の碑」。非公開の区域にある(宮内庁提供)

 8世紀に中国で造られたとされ、日露戦争の「戦利品」として日本へ運ばれた石碑が、皇居内に設置されている。一般には非公開の区域にあるため、歴史的価値が高いにもかかわらず研究の妨げになっているとの批判があり、返還を求める声も上がっている。宮内庁は「国有財産法に従って碑を管理している。国有財産をどうするかについては意見を申し上げる立場にない」としている。

 石碑は714年に中国旅順に建てられた「鴻臚井の碑」。7世紀に興り、現在の中国東北部やロシア沿海州、北朝鮮北部付近を支配した「渤海」を唐王朝が冊封した際、唐の使者が帰路に井戸を掘ったことを漢字29字で刻んでいる。

旧日本海軍の「戦利品寄贈書類」という記録に石碑に関する記載がある(防衛研究所戦史研究センター所蔵)