NYの“バイオレントな週末” 天気とヒトの関係

 今年に入ってもっとも温かい日となった18日、週末と重なったこともあって多くの人がこの天気の恩恵に預かったと思いきや、ニューヨークの週末は「暴力的」なものになってしまった。
 この週末起きたことを数字で表すと、撃たれたニューヨーカーの数が20、撃たれたり刺されるなどして死亡した数が2、ケガした人の数12以上、これらは少なくとも15件の別の事件だ。これらの事件は、ブロンクス区、クイーンズ区、ブルックリン区とニューヨーク市のいたるところで起きた。
 今年もっとも寒い日だった2月のとある日は、ニューヨーク市で殺人事件が連続して起きなかった記録を更新した日だった。今年もっとも温かかった日は、もっとも事件が起きた日の1つになってしまった。
 春になると変な人が増える、とは単に古くからの言い伝えのみならず、日照時間とヒトの行動には因果関係がある。ヒトの行動は春に活動的になり、だからニューヨークを始めとする米国各州のデイライト・セービング・タイムは3月に変更となり、大きな経済効果を生んでいるという。夏時間の導入は、犯罪率の低下を目指すものでもあるから、ヒトが暴力的な方向へ活動的になるとしたら、なんとも皮肉な結果だ。
 昔に比べ格段に安全になったと言われるニューヨークだが、開放的になる春になっても、改めて襟を正したい。

外出を楽しむ人々が多く見られた反面、犯罪も多発した週末=18日午後、マンハッタン区(photo:Daily Sun)