Dr.クララ・リー Dr.リーのデンタル日記 毎月第1月曜日掲載 Vol.38 新しいおもちゃは どんなおもちゃ?

 ある日の一番最初の患者さんは7歳の女の子でした。彼女は治療椅子に座ると、「私の誕生日、先週だったのよ」と胸を張って言いました。小さい子どもにとって誕生日は、最大のイベントと言えます。子どもは年齢を聞かれると、大体きっちり年と月を分けて返事をします。例えば、「6歳と半分だよ」と言います。しかし、大人になり年を取ると答え方が曖昧になり、「29歳よりちょっと上…」と答えるようになります。そして、私くらいの年になったら多分、人に年齢を言うことにまったく抵抗がなくなります。
 パソコンの画面にチラッと見て、私は「そうだね! もう7歳になったよね。お誕生日おめでとう! まだ小さくて、ここに来たばかりの頃をはっきり覚えてるのよ。今年はどんなプレゼントをもらったの?」と聞きました。ちょっとおしゃべりをした後に、彼女は私に「先生は新しいおもちゃを持ってる?」と聞きました。私はつい笑ってしまいました。なぜなら、小児患者が治療の際に怖い思いをしないように、治療用機具のことを“おもちゃ”と呼ぶようにしていたからです。
 彼女に見せたおもちゃの一つは、歯をライトで照らし、歯の状態を見る機械でした。これは「CariVu」といい、歯の状態をパソコンで見ることができます。これで見ると、健康な歯はバスルームの磨りガラスのように見えますが、虫歯の場合は暗い影のようになります。この機械のお陰で、歯間の小さな虫歯をX線より早く検出できます。また虫歯の診断は早ければ早いほど良く、早期治療でドリル治療による歯へのダメージを減らすことも可能です。
 このおもちゃを取り出して、彼女の歯をビデオに撮りました。それを見た彼女の目は興奮で大きく開きました。子どもが新しいおもちゃをもらう時に感じる喜びのように、歯医者も新しい“おもちゃ”に同じ喜びを感じます。そうです! 歯科にも色々な新しい“おもちゃ”があり、それは大変便利なのです。


Waterside Dental Care

Dr. クララ・リーClara Lee, DDS

ニューヨーク大学歯学部卒業。ニューヨーク大学ブルックデール病院でチーフレジデントを経て、13年以上にも及ぶ臨床経験は、一般歯科、コスメティック、インプラントを含む。インビザライン認定医。Waterside Dental Care医院長として古山医師と共に、多くの日本人患者を治療。Dentistryをこよなく愛している。
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