SUV運転者遺族が鉄道や郡を提訴 メトロノース踏切事故

 ニューヨーク州ウエストチェスター郡で今年2月に起きた、同郡ヴァルハラ近くを走行中のメトロノース鉄道ハーレムラインとSUVが衝突し6人が亡くなった事故で、SUVを運転していた女性の遺族が4日、同鉄道などを相手取り、訴えを起こす準備段階に入った。
 デイリー・ニュースによると、SUVを運転していたエレン・ブロディーさん(当時49)の遺族は4日、危険な踏切を何年間も閉鎖せず放置していたとして、メトロノース鉄道、ニューヨーク州の都市交通局、ウエストチェスター郡、マウント・プレザント町を被告とする正式な提訴に先がけ、損害賠償請求権の保全書類を提出した。
 事故が起きた踏切付近には、適切な信号や踏切があることを知らせる表示もなく危険な状態にあったという。事故当時、ブロディーさんの後方で車を運転していた男性によると、目前に線路があることもブロディーさんが線路内にいたことも気が付かなかったという。
 州運輸局は2009年、安全信号や標識の設置のために13万ドルの予算を割り当てたが、何の措置もされなかった。ブロディーさんはジュエリーデザインショップでの勤務を終え、帰宅途中に事故に遭った。3人の娘の母親でもあった。
 事故により、ブロディーさんの他、電車の乗客5人が死亡した。

photo: Daily Sun