ニューヨークは米国の他州に比べて家賃が高額であるため、独身であってもルームシェアをしている人が少なくない。そのため、家族や恋人、またはまったくの他人と暮らしていたりするので〝一人暮らしが長過ぎると恋人ができなくなる〟という心配はあまりないかもしれないが、今回は「長年にわたる快適な一人暮らしが招く、良くない傾向」を数人のニューヨーカーと共に考えてみた。
まずは、<我慢ができなくなる>というもの。パートナーができるということは、自分の時間を〝自分だけ〟に使えなくなるいうこと。相手の行動に合わせることが、時として必要となってくる。相手に合わせて食事を選んだり(自分は違うものが食べたかったとしても)、休日にゴロゴロしたくても相手の用事に付き合わないといけなかったり。また、自分には甘く、他人には厳しい人になるとの声も。
<ネガティブな思考になる>。会話をする相手がいないと、自分だけの判断で行動するので、考えが偏りがちに。また陰鬱な気分になってしまうとの声も。そして、それは生活にも影響を及ぼす。起床、会社のそばのデリでコーヒーとベーグルをピックアップし、会社へ。飲みに行ってほろ酔い、もしくは残業でヘトヘトになって帰り食事を作り、就寝。これが定常すると、「何のために生きてるんだろう、このままで大丈夫かな」と思ってしまう人も。
<笑顔になれない>。毎日会社に行っている人はまだ良いが(?)、一人暮らしは会話をする機会が減る。長電話をする相手がいる、〝大好物〟のテレビ番組を見てお腹をかかえて大爆笑できる、映画やドラマを観て感動して号泣するなど、何か一喜一憂できる手段があればいい。しかし、そうでなければ表情筋を使う機会が少なくなるので、無表情な人に…。年々、友人は結婚していくし、出産でもした日には、長電話のできる友は減っていくばかり。
一生1人で生きていくと決意をした人は別だが、恋人が欲しい人は、快適な一人暮らしから抜け出すまではいかずとも、他人を受け入れられる器量を忘れないようにしたい。