先週、2、3年間顔を見ていなかった患者のAさんが来院しました。Aさんへは定期的に、歯のクリーニングと検査を受けるようにと電話をしていましたが、「忙しいから行けない」と彼女は毎回言っていたので、予約表に名前を見て驚きました。
そして予想通り、Aさんの歯には問題がありました。米国歯科医師会(ADA)の新しいレポートでは、20~64歳の91%の米国人が、生涯に一度は虫歯になったことがあるとしています。また20歳以上の27%が、虫歯に気付かずに治療をしていないことが分かっています。
歯医者に行こうとしない人の多くは、治療費を払いたくない、自分の歯には問題が無いと思っていると言われています。言い換えると、「歯の健康よりも、他のことにお金を使いたい」、「痛みがないから歯科に行く必要が無い」と考えているということです。
歯科医の仕事は、治療だけでなく、歯に関する知識と予防策を伝えることも大切なことです。私の意見では、歯に関する知識と予防こそが虫歯を防ぐためにもっとも重要です。
人は年を重ねれば重ねるほど、歯を健康に保つ必要があります。また「歯周病、虫歯になる原因は何か?」を教えることは、予防と同じくらい大切です。虫歯の予防には、フッ化物を含む水を飲むこと、子どもの歯にはシーラントをすることなども伝えています。
ADAは虫歯予防の簡単な方法を6つにまとめています。①口渇に気をつける。これは、あらゆる薬の副作用であり、虫歯になりやすくなる。気になる人は歯医者や、歯科衛生士に口渇を予防する方法を聞いて下さい。②少なくとも1日2回は、フッ化物を含む歯磨き粉で歯を磨く。③少なくとも1日1回はフロスをする。④フッ化物を含む水を飲む。そして、ペットボトル入りの水、スポーツドリンク、炭酸飲料、ジュースなどはあまり飲まないように。⑤果物と野菜をたくさん食べる。⑥歯科医院に定期的に行く。
さて、Aさんの虫歯は一日で治すことができ、彼女にとってこの経験はよい教訓になりました。定期的に歯のクリーニングと検査をする方が、治療のためにお金と時間を費やして、仕事を休むことになってしまうよりも明らかにいいでしょう。
Waterside Dental Care
Dr. クララ・リーClara Lee, DDS
ニューヨーク大学歯学部卒業。ニューヨーク大学ブルックデール病院でチーフレジデントを経て、13年以上にも及ぶ臨床経験は、一般歯科、コスメティック、インプラントを含む。インビザライン認定医。Waterside Dental Care医院長として古山医師と共に、多くの日本人患者を治療。Dentistryをこよなく愛している。
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