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共同通信
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天安門事件後の1991年に北京を訪れた海部俊樹首相と中国の李鵬首相(いずれも当時)は会談で、自国が軍事的脅威となる心配は無用と互いに伝えていた。日本外務省が22日までに公開した外交文書から分かった。根拠として海部氏は、戦争を体験した当時の日本国民の歴史に対する深い反省を挙げ、李氏はまだ少なかった中国軍事費を挙げていた。
89年の天安門事件で冷え込んだ日中関係は、91年の海部氏訪中によって前進した。複数の文書からは、両首脳が歴史と軍事への適切な対応を通じて信頼醸成を図ろうとした様子がうかがえる。