グリーンカード（永住権）保持者にとって、米国に自由に出入国できることは重要な特権のひとつです。しかし、グリーンカードを持っていることで再入国が保証されるわけではありません。問題なく再入国をするには、適切な書類を提出し、米国在住の要件を満たしている必要があります。さらに、再入国を拒否される理由についてよく知っておくことが重要です。またグリーンカードを取得していても、国外に旅行をする際には母国のパスポートを携帯してください。グリーンカードのみで米国に再入国はできても、他国でそれを旅券として使用することはできません。
•条件付き永住権
条件付き永住権をお持ちで、２年間の有効期限が切れている場合には、その有効期限切れのグリーンカードと、条件取下げの申請を米国移民帰化局（USCIS）に締切り日前までに提出し、現在審査中であることを証明する受理証明書が必要となります。
•永住権アジャストメント申請中
米国内で永住権のアジャストメント申請（資格変更の申請）をしており、現在移民帰化局にて審査中の場合、同申請を取り消されることなく出国を許可されたと記入された一時渡航許可証（Advance
Parole）を提示します。また同権利の申請の際に、就労許可証（ＥＡＤ）と同時に一時渡航許可を申請している場合、その両方の許可証を合わせたカードが発行されます。そのカードに「渡航許可としても有効（Serves as I-512 Advance Parole）」と記載があるか確認してください。
●長期不在の場合
米国外に１年以上滞在する場合は、再入国許可証（Re-entry Permit）を取得する必要があります。同許可書の申請は、長期不在にするグリーンカード保持者が、永住権を放棄する意思がないことを証明するものであり、また不在期間を理由に再入国を拒否されないために必要です。これは出国前に必ず申請し、指紋採取手続きを完了してください。再入国許可証の有効期限は最長２年です。２年間、またはそれ以上国外滞在をしている場合には帰国居住者ビザ（Returning Resident Visa）を申請し取得します。国外滞在の期間が１年未満の場合でも、永住権を放棄しているとみなされ再入国が拒否される場合があります。大抵、一年のうち米国外に合計６カ月以上滞在していなければ、永住権を放棄しているかどうかを審査されることはほとんどありません。しかし、どのような理由で米国を発ったかが重要な決定事項となります。ですので、６カ月以上米国外に滞在する可能性がある場合は、事前に再入国許可証（Re-entry Permit）を取得した方が良いでしょう。
ミチコ・グレース・ノーウィッキ
アイナ法律事務所（‘Aina Law Office）
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