ブロンクスに巨大テニス施設 銃よりもテニスを

 ブロンクス区に10年がかりで建設が進められてきた大規模なテニスセンターが16日、待望のオープンを迎える。
 新しくオープンするカーリー・リード・テニスセンターは芝生のクラブハウス、20面の練習用コート、500人収容の試合用スタジアム2カ所に加え、レッスンスペースやプレイルームを完備した大規模なテニスセンターだ。このテニスセンターでは3万人の子どもたちに無料のテニスレッスンや放課後プログラムが実施される予定で、もともと治安があまりよくなく、犯罪率の高い地域として知られているブロンクス区でのオープンを歓迎する保護者は大勢いる。
 近隣に住み、2人の子どもを持つ母親はエーエム・ニューヨークに「ここに住む子どもたちの多くは今までテニスと縁がなかったが、この施設ができたことで彼らも夢を持てるようになり、銃や犯罪から離れていくだろう」と述べており、同センターのオープンに期待を寄せている。
 子ども向けレッスンプログラム設立に必要な資金は、この10年間に寄付を通して1100万ドル(約13.5億円)が集まり、市からも援助を受けている。施設のデボラ・アントワーヌ代表は「テニスは差別や格差を乗り越えられるスポーツであり、この近所に多く住むヒスパニックの子どもたちにテニスを紹介し、選手としての育成に取り組みたい」としており、放課後のプログラムを指導するダニー・デラクルーズコーチも「テニスは考えるスポーツ。子どもたちがテニスを通して忍耐力と精神力を学んでくれれば」と話している。

photo: tenisenelatlantico