米魚類野生生物局(FWS)および野生動物保護協会(WCS)は19日、マンハッタン区のタイムズスクエアで、象の密猟や象牙取引の根絶を訴えるイベントを開き、違法取引により押収された象牙を粉砕する様子を公開した。
FWSによると、アフリカでは毎年3万5000頭の象が象牙を取るために殺されているといい、その数は繁殖数を上回り、絶滅が危惧されている。
イベント会場では、ニューヨーク市およびフィラデルフィア市の密売業者や小売業者から押収された象牙が大量にテーブルの上に陳列され、職員がその一つ一つを取りあげ順番にベルトコンベアの上に乗せ粉砕機で粉々にした。
WCSの広報担当は、「これらは違法製品であり、これを破壊することで象牙の商業利用を阻止し、市場への流通を防ぐ」と粉砕の目的を語った。
ニューヨーク州では2014年、象牙の売買の禁止と違法象牙売買により科される罰金の増額を定める法令を可決し、象牙取引に対する姿勢を硬化させた。
象牙の違法取引規模は07年から倍増し、米国は違法に持ち込まれた象牙の最大級の取引市場となっている。ニューヨーク市環境保護局によると、市は全米最大の密輸入ルートであるという。