ニュージャージー州の連邦検事局は1日、違法に輸入された虎のはく製の没収請求を提出した。
問題となったのは雌虎の等身大のはく製で、今年1月2日に船荷としてニューアーク港で発見されたもの。フランスから移住した人物が所有者であることが分かったが、この人物は輸入に関する手続きを何らしていなかった。その後、この所有者は内務省魚類野生生物局(USFWS)に身柄を拘束されたという。
USFWSは、同はく製を同月9日には没収していた。はく製の所有者は4月1日、USFWSによる押収および起訴を不服として異議を申し立てた。そのためUSFWSは、はく製を所有者のもとへ返還するか、または裁判所に没収請求を提出するかの選択に迫られており、没収請求を提出するに至った。
米国は1973年、絶滅の恐れがある野生生物の国際取引に関する条約(CITES)に加盟しており、動物のはく製の輸入を禁止している。また、虎は27年以上前から、CITESにより絶滅危惧種に指定されており、生死に関わらず取引は禁じられている。
動物園や特例での飼育目的で、絶滅危惧種の動物を米国に輸入するには、輸出入先である両国の同意が必要で、政府が発行する輸出許可証およびUSFWSが発行する輸入許可証が必要となる。