Vol.39 歌手 岩崎宏美さん

 歌手の岩崎宏美さんがデビュー40周年を記念し、8月6日にマンハッタン区のカウフマン・ミュージックセンターにある、マーキン・コンサートホールでコンサートを行う。さらに今回は、ミュージシャンの大江千里さんとの共演も話題となっている。
 岩崎さんの歌声と、大江さんのピアノのみというシンプルかつ新しい挑戦でもある同公演。また、40周年にして、ニューヨークでは初となるコンサートを控えた岩崎さんに今の気持ちをうかがった。

 

<プロフィール>
岩崎宏美(いわさき ひろみ、1958年11月12日生まれ)
1975年4月25日、「天まで響け岩崎宏美」のキャッチフレーズと共に「二重唱 (デュエット)」でデビュー。2作目「ロマンス」で第17回日本レコード大賞新人賞をはじめ、数々の新人賞を受賞。デビューから抜群の歌唱力を評価されており、1977年に初のスローバラード「思秋期」により、第19回日本レコード大賞歌唱賞を受賞。また「すみれ色の涙」にて第23回日本レコード大賞最優秀歌唱賞を受賞。1982年、火曜サスペンス劇場主題歌「聖母たちのララバイ」リリース。130万枚の大ヒットを記録し、第13回日本歌謡大賞他数々の賞を受賞。その後も精力的に音楽活動を続け、今年は40周年を記念して4月にシングル「光の軌跡」、5月にはセルフカバー・ベストアルバム「MY SONGS」を発表した。

 

―今回は、いろいろな意味で特別なコンサートだと思います。まずは今の心境をお聞かせください。

 始めてのニューヨーク公演ですので、とても楽しみにしています。ステージがどんなアレンジになるのかもまだ打ち合わせの段階なので、私自身もすごく楽しみです。

―スペシャルコンサートということで、特別な準備をされているそうですね。少しだけ内容を教えていただけますか?

 まず特別なことは、大江千里さんとのコラボレーションコンサートだということ。そして、千里さんが唱歌を歌いましょうというアイデアを出してくれて、ニューヨークにいる子どもたちと一緒に「七つの子」、「赤とんぼ」、「ふるさと」などを歌う予定です。オリジナルのヒット曲はもちろん、日本人であれば多くの人が口ずさめる童謡や日本の歌曲などをたっぷり披露します。

―当日の衣装は決まりましたか?

 千里さんと話をして、ロングドレスが良いんじゃないかと決まったので、ロングドレスを着る予定です。

―岩崎さんにとってニューヨークとはどのような場所でしょうか?

 私はショービジネスの世界に長年属していますが、初めてニューヨークを訪れたのは2000年なんです。それまでに米国だとロサンゼルスやハワイには行ったことはあるのですが、なかなかニューヨークはチャンスがなくて。
 ニューヨークの印象は、歩くテンポがみんな本当に早くて、ロサンゼルスと全然違うということ。どちらにも行かれている方は、「ロスは田舎っぽい」と言っていて。それを聞いて私は、「(ロスの)どこが田舎っぽいんだろう」と思っていたんですが、ニューヨークに行った時に、その言葉の意味が少し理解できました。信号無視しながら歩くのが、〝当たり前〟だったり(苦笑)。初めてニューヨークに行って日本に帰ってきた後、信号無視のことを〝ニューヨーク渡り〟って呼んでいました。

―ニューヨークで行きたい場所はありますか?

 今回で3回目のニューヨーク滞在となるのですが、前回までに、ミュージカルの「レ・ミゼラブル」を観たり楽しい思い出がたくさんあります。あと、私が行くころにはもう終わっていますが、渡辺謙さんが出演している「王様と私」も観たかったですね。チャンスがあれば、何か舞台を観たいと思っています。

―ブロードウェーを観て、刺激を受けますか?

 もちろん、受けます。初めてショーを観た時に、とっても顔がきれいだったり、スタイルが良い女優さんに対して「きっとあの人はプロデューサーに気に入られているから、この舞台に立てているのだろう」なんて思っていたのですが、その女優さんが踊ったり歌い始めたら「うそー!」っていうくらいレベルが高くて。全然レベルが違うなって。すべてを兼ね備えている人の中のきれいな人だったんだって。そして、そこから抜きん出ているだけではなく、人種国籍を問わずにいろいろなところから集まってきた中から選ばれた人たちだと思うので、その壁はものすごいものなのだと感じます。

―魅力的な方はブロードウェーにもたくさんいらっしゃいますが、岩崎さんも昔と変わらずとても魅力的ですね。美しさを保つために何かされていることはありますか?

 努力していることはたくさんあるんですが、今は小中学校の同級生たちと「女子会」と呼んで、月に一回ホテルのコートでテニスをしています。スポーツは昔から好きで、剣道や乗馬、バスケットボールをやっていたことがありました。あとウォーキングもしていたんですが、飼っている犬がどうしても付いて来たがるので最近は行かなくなりました。老犬なので早くは歩けないんです。
 走るのは苦手なのですが、もしニューヨークでチャンスがあれば走りたいなと思っています。あと最近は、近所に新しいバレエスタジオがオープンしたので、習い始めました。

―バレエを始めたのですね。レッスンはいかがですか?

 すごく大変ですね。初心者のクラスなのですが、生徒全員が一生懸命に取り組んでいるし、おしゃべりをせずに黙々とレッスンに励める環境なので、とても楽しんで取り組んでいますよ。

―常に挑戦していく精神を持ち続けることは並大抵のことではないと思います。それは、岩崎さんが40年間、歌手であり続けていることにも通ずること。その原動力は、どこから来るのでしょうか?

 そうですね、歌を歌うこと自体が原動力のような気がします。だから、声を何よりも大切にしています。
 ここまで来ると健康しかないので、声が出なくなったり、足が悪くなってステージの上を歩くことが不自由になってしまわない限りは歌い続けたいと思っています。

―リフレッシュしたい時にされていることはありますか?

 自宅のバルコニーでガーデニングを楽しんでいます。朝、花や観葉植物に水をあげたり、可愛い花を咲かせている植物を見ていると和みますね。昔はサボテンを枯らしたことがあるくらいの凄腕だったのですが(笑)、最近は植物が言うこと聞いてくれるようになって、きれいに咲いています。

―岩崎さんはご自身について、どのようなタイプだと思いますか?

 とても忙しい日々を送っているのですが、常に楽しもうと心掛ける前向きなタイプです。人見知りをしないのですぐに人と仲良くなれると思います。地方に仕事に行って初めてお会いしたアナウンサーの方と名刺交換をして、それからメール友達になったりすることも多々あります。そして、行動力があり、(周囲の人に聞くと)少し天然です(笑)。

―今後、目標や挑戦されたいことはありますか?

 今はニューヨークで歌うことで頭が一杯ですので、この公演を成功させることが、今一番の目標です。

―公演を楽しみにしているニューヨークのファンへメッセージをお願いします。

 40年歌い続けた私の生の歌声を聞きながら、日本を懐かしんでいただいたり、日本語って美しいなと思っていただけたら嬉しいです。
 忙しいニューヨークでの生活に疲れている方もいると思うので、私の歌を聴いて温かい気持ちになっていただけたらと思います。

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