差別や偏見のない教育を 性同一性障害を考える

 性同一性障害に悩む生徒の人権を守るガイドラインがニューヨーク州内の公立学校で21日、施行された。
 このほど発表された新しいガイドラインで、性同一性障害の生徒は生まれ持った生物学的な性別ではなく、自己意識と一致する性別に従って、学校生活を送れるようになる。「彼女(She)」や「彼(He)」など、性別を指定する名詞の使用方法などを保護者と生徒の間で相談できるようになるほか、教師にも教室内での活動などを性別で区別しないよう指導している。また、差別撤廃を掲げた連邦法案のタイトル9のもと、性同一性障害の生徒たちは自身が認識している性のトイレやロッカールームなどの使用が保証される。
 教育委員会のメリル・ティッシュ理事長は「このガイドラインは性同一性障害をはじめとする性的マイノリティーの生徒たちの権利を保障するもので、彼らが差別や偏見などを恐れることなく学校生活を送れるようにするものだ」と述べた。ある調査によるとニューヨーク州内の学校では2万件ほどのいじめが報告されたが、そのうち19%が生徒の性別に関するものだったという。
 今回のガイドライン施工を受けて性同一性障害の子どもたちに対するいじめが減ることが期待されており、教育委員会やニューヨーク州PTAなどが歓迎している。