イーストビレッジのトンプキンスクエアパークに21日、ニューヨーク市警察(NYPD)が上昇式の監視塔を設置した。これに対し地元住民からは「不必要で不快だ」として撤去を求める声が上がっていたが、その後あっけない幕切れとなった。
この監視塔はニューヨーク・ポスト紙が10日、同公園で寝泊まりするホームレスの数が最近増加していることを伝えた記事を掲載したことがきっかけとなり、その後ビル・デ・ブラシオ市長が突然そのホームレスの人々を訪問するという出来事があり、その直後に設置された。しかし地元住民からは「高所から監視されるのは嫌な気分だし、パトロールは歩くか自転車に乗るなどの方法で行ってほしい」「何かあった時にすぐに駆け付けられず効果はない」といった苦情が殺到した。
また何者かが「第9分署と市政監査官レティシア・ジェームズ氏に撤去を求める申し立てを」と訴えるチラシを公園の周りに掲示する事態となり、さらに、ホームレス擁護派のコミュニティ運動家グループは、8月7日〜9日まで抗議のキャンプを呼びかけていた。
そして週明けの8日早朝、反対の声が届いたためかNYPDは監視塔を撤去した。しかし、ある地元住民は「撤去は歓迎するが、公園に多数いるホームレスの問題は全く解決していない」とポスト紙に話している。