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共同通信
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政府は14日、北海道・知床沖の観光船事故を受け、海上運送法に基づく安全確保命令に違反した旅客船事業者への罰金を最高1億円に引き上げる方針を固めた。船長ら個人は150万円に重くし、1年以下の懲役刑も新設する。厳罰化によって安全対策の徹底につなげる。与党などと調整の上、同法を含む関連法の改正案を今国会に提出する。
これまでは法人、個人いずれも100万円以下で、貸し切りバスや鉄道などと比べて軽かったが、同水準となる。改正案には事業許可の更新制や運航管理者の資格試験制度の導入など、国土交通省が昨年末にまとめた安全対策も反映させる。
現行法によると、国は、利用者の利便や公共の利益、輸送の安全を阻害している事実があると認めるとき、行政処分として安全確保命令を出す。
船長が酒気帯び状態で操船して事故を起こしたり、船が岩礁に乗り上げて沈没したりした際に出した例がある。命令に従わない場合、刑事処分の対象となる。個人は罰金と懲役刑の両方を科すことも可能とする。