市役所が故人を仕事から解雇 問われる市の管理体制

 18カ月間無断欠勤を重ねたとしてニューヨーク市役所が解雇しようとした男性が、実は既に死亡していたことが分かり、行政による従業員の管理体制が疑問視されている。
 今回市役所が解雇しようとしたのは、医療扶助資格の専門家として働いていたジェフリー・トリバー(当時65)さん。2013年11月から出勤していなかったトリバーさんに連絡を取り続けたが返答がなかったため、彼を職場から解雇するよう手順を進めていた。しかし、トリバーさんは昨年12月8日にがんのため死亡していたことが発覚し、その事実を把握していなかった市の行政に批判の声が多く寄せられている。トリバーさんと親しい間柄だったというテッド・ウィルブライトさんは「彼の周りはみんな協力的に仕事をしていた。それなのに、なぜ人事部は彼の死を把握できなかったのか」と話している。
 また、トリバーさんが仕事を休んでいた期間中給料は払われていなかったというが、彼のポジションは開けられたままだったという。これに対しトリバーさんの家族は、「彼の上司にも彼が亡くなったことはしっかり報告した」としており、行政内で情報伝達にミスがあったのではとみている。
 なお、トリバーさんの解雇を決めた市役所の人事部は、トリバーさんが亡くなっている今、これ以上の追求を行うことはないと話している。