暴力的な精神疾患者に治療を 支援制度に市が投資

 ニューヨークのビル・デ・ブラシオ市長は6日、市庁舎で行われた記者会見で、暴力的な行動を起こす傾向にある精神障害者を救済するためのプログラムに、2240万ドル(約27億8000万円)の年間投資を行うことを発表した。
 「NYCセーフ」と呼ばれるこのプログラムでは、精神障害があることが証明され、過去に暴力行為歴がある者に治療を受けさせ、市刑事司法局が運営する監督センターを設置し、ニューヨーク市警察(NYPD)や市ホームレスサービス局、医療施設と情報を共有しながら治療を継続するよう支援する。
 市長は、近年、市でホームレスの数が増加しているのも、精神障害を患う市民のための支援システムが不十分であることが関係していると考え、同プログラムでホームレス問題についても取り組む方針。その一環として、ホームレスシェルターに保安官や医療スタッフを増員し、警官に精神障害者への対応の仕方を訓練する。
 市長夫人であり同プログラムを指揮するシャーレーン・マクレイ氏は、「暴力は許されないことであるが、疾患により暴力的な行動に出てしまう人を処罰することも許されない。治療が可能な人の場合は特に」と述べた。
 市長は、3年間にわたり3億2300万ドル(約401億円)を精神衛生プログラムに費やすことを表明している。

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