名物シラウオ、食文化を守る

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共同通信
青森県東北町の「和幸」で提供される生シラウオ丼=2022年2月

 青森県で昨秋以降、寄生虫が皮膚の下に入り込んでかゆみや腫れが出る「皮膚爬行症」とみられる患者が相次いだ。同県東北町の小川原湖の名物として知られる淡水魚シラウオを生食しており、一部の患者からは寄生虫の一種「顎口虫」の幼虫が検出された。地元で続く食文化を守れるのか。飲食店や漁業者らが工夫を凝らしている。

 「これはやばいぞ」。隣町の野辺地町に住む男性(57)は昨年10月、腹部にかゆみと腫れが出た。約1週間前、知人宅で小川原湖産のシラウオを躍り食いしていた。「痛がゆい感じ。なんだろう、と思っているうちに腫れが移動し始めた」

 病院で患部の切開処置をした結果、医師から顎口虫による皮膚爬行症と告げられた。へそ付近から時計回りに、顎口虫が皮膚の下を移動した痕が今も残る。

 男性は「驚いたし、怖いけれど、シラウオの生食文化が衰退してしまうのは嫌だ。機会があればまた食べたい」と語る。小川原湖の周辺地域では、漁師が友人や近所の人にシラウオをお裾分けし、店以外でも生食する機会が多い。