このほど発表された調査結果によると、トランスジェンダーの軍人の性転換費用を米軍が負担する場合、推定される費用は年間560万ドル(約7億円)であることがわかった。
サンフランシスコ州立大学の研究員アーロン・ベルキン氏によると、米軍が医療費に充てる予算は年間478億ドルだが、トランスジェンダーのための医療費用を負担した場合でも、軍人1人につき毎月わずか22セント程度余分にかかるだけだという。また医学情報誌、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンによると、手術やホルモン治療、または両方を受ける費用は3万ドル以下で、それらの治療には平均6年半かかるという。
ベルキン氏は、軍に従事している“隠れトランスジェンダー”の数を推測し、既に性転換関連費用の資金提供を始めているオーストラリアの例を参考にした結果、年間約188人の軍人が費用の負担を受けると推測している。
アッシュ・カーター米国防長官は先月、トランスジェンダーであることを公表している者の軍への入隊を禁止する米国防総省の規定緩和について検討中であることを発表した。またトランスジェンダーであることを公表した者が、悪影響なく軍務に従事することができるか否かについて調査を開始した。世論からは国防長官の決定を非難する声も上がっている。
軍隊におけるトランスジェンダーの数は、一般社会の2倍に上るという。