ホームレスに関する苦情増え続ける 311の普及が要因か

 ビル・デ・ブラシオ市長がニューヨーク市長に就任して以来、市の行政総合窓口311へのホームレスに関する苦情の数が、約60%増加しているという。
 2015年1月1日~8月9日までの間に、311が受けたホームレスに関する苦情数は2万242件だったが、このペースが続けばことし末までに3万3500件に達するものと予測される。マイケル・ブルームバーグ前市長就任当時の13年同時期、311が受けた同様の苦情件数は1万2715件で、13年全体でも2万1882件だった。一方、デ・ブラシオ市長が就任した14年全体の同様の苦情件数は2万5357件だった。同市長の就任当初、市のホームレスの数は約5万2000人とみられていたが、14年12月に約5万9000人と記録的に増加し、現在は5万6000人ほど。
 市の広報担当官カレン・ヒルトン氏は、14年12月の記録的増加は、前市長政権がホームレス対策予算を大幅に削減しためで、それ以降の減少は、デ・ブラシオ市長の努力の成果だと述べた。デ・ブラシオ市長は、ホームレス対策予算を4年間にわたり10億ドル(約1241億円)増額している。
 14年12月をピークにホームレスの数は緩やかに減少しているが、311への苦情数が増加した理由についてヒルトン氏は、デ・ブラシオ市長が、生活の質に関する苦情についての311通報を推奨していることと、311スマートフォンアプリが普及したためと述べている。

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